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映画がもっと近くなる

『カメ止め!』監督 詐欺被害やホームレス体験から得た利子!

2018年を代表する映画と言えば、興行収入30億円、観客動員数200万人(11月13日時点)を突破した『カメラを止めるな!』。同年3月に、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭「ゆうばりチョイス部門」で上映され、ゆうばりファンタランド大賞(観客賞)を受賞した。当時は、ここまでの社会現象になるとは、誰も予想していなかったでだろう。これは『カメ止め!』大ヒット前の上田慎一郎監督の貴重なインタビューを公開!

 

 

― よく聞かれる質問であるとは思うのですが、映画監督を目指したきっかけは?

あまり明確に覚えていないんです。中学生のときの友だちのお父さんがすごく映画好きで、家の棚に映画のビデオがたくさんあり、そこから借りて映画をよく観ていました。そうしたらあるとき、親にビデオカメラを買ってもらって。今度はそれで、友達と毎日のように映画を撮るようになったんです。映画といっても、ただ追いかけあっているのを撮っているだけでしたが(笑)。毎日のように映像を撮っていて、気がついたら映画監督になろうと思っていた。だからドラマティックな「きっかけ」みたいなものはないんです。

そういえば、中学生の頃の思い出にもうひとつ、国語の時間にお芝居をするという授業がありました。他のグループが「桃太郎」や「浦島太郎」と言っている中で、僕は「オリジナルの物語がやりたい」って思ったんです。そこで、僕が書いた脚本が先生に褒められて、全校生徒の前でやろうという話になりました。今思えばそれが「創作のはじまりだったのかなぁ」と思いますね。

 

― 映画の作り方は、どこかで学ばれたのですか?

自分は高卒なので、大学のような機関で専門的に映像を学んできたわけではないです。でも、高校を卒業して映画学校に入った人たちよりも、映像を作るということ自体は、早くからやっていると思うんですよ。高校時代になると、ギリギリiMacとかが出てきていた頃なので、自分で動画を編集して、ハリウッドのサントラとかの音楽を勝手につけて、みんなで観る、みたいなこともしていました。僕は高校を卒業したら、映画監督になるためにハリウッドに行こうと決心していて、「映画やったらハリウッドやろ!」という考えだったので(笑)。英語を勉強する専門学校に3か月だけ通ったこともあったのですが、中退してしまい・・・。アメリカ行きを止めた後、お金もなかったので、ヒッチハイクで上京しました。滋賀県の人口7千人くらいの街で暮らしていたので、渋谷とか新宿とかが実際にあるのかもわからないような状況だったのですが。

― ヒッチハイク?! 行動力と熱意がすごい!

上京をしたのは19歳くらいの頃だったのですが、25歳までは映画をまったく作らずにフラフラして過ごしていました。実はいろいろな詐欺被害に遭って、数百万円の借金をして。消費者金融のカードを5枚くらい持って、一時はホームレスのような生活をしたりもしていました。25歳になったとき、「俺は何をしに東京にきたんだ、映画監督になる為じゃなかったのか?」と思って、もう一度ビデオカメラを手に取って、再び映画を作りはじめました。当時流行っていたmixiでスタッフの募集を見つけて、まずは自主映画の団体みたいなものに入って。そこから自分の団体を立ち上げ、映画を撮るようになって。今は(2018年3月時点)33歳だから、8年が経ちましたね。

 

― 正にこれこそ「まるで映画のような」って感じですね。

僕は、学生時代の成績もよくなかったし、授業中はだいたい寝ていて、出席の日数もギリギリだったくらいの落ちこぼれでした。また、大きな借金も繰り返してきました。お前の人生はもうダメだと周囲から思われていただろうし、何も偉そうなことは言えないのですけれど、現在は、もう結婚もして、子どももいます。かつては「夢みたいだな」と思っていたこと・・・映像の仕事だけで食べて、自分のペースで仕事ができる今があるのは、これまでに失敗をたくさん集めてきたからだと思っているんです。ホームレスまで経験すると、だいたいの失敗ごとは大したことないと思えてくる(笑)。だから、学生さんや20代の方には、失敗を集めるくらいのつもりで生きるのがいいんじゃないでしょうか。少しあとになったら、きっとそれに利子がついて返ってきます。

 

― 最後に、これからの話を聞かせてください。

もちろん、映画を作り続けるつもりです。僕はこれまで映画を観て学んで、撮って学んできました。学校で学んだわけではないけれど、だからこそ「『映画好き』じゃないとわからない凝ったことをしよう」とか、型にはまったやり方などはしてこなかった。「エンターテインメントが作りたい」とずっと思ってきたので、これらの体験から学んだことは、かえって良かったのかもしれないと思っています。

先ほど「気がついたら映画監督を目指していた」とお話ししましたが、本当は高校を卒業するとき、映画監督になるのか、お笑い芸人になるのか迷ったことがありました。自分の中の憧れのヒーローって、映画監督よりも芸人さんのほうが多くて、一番はダウンタウンさん。ハリウッドに行くのか、吉本興業に行くか迷った結果、”今回の”人生では映画を選びましたので、いまとは違う人生をもう一度やれるのであれば、芸人になりたいです!! 自分が撮る作品も、お笑いや芸人さんからの影響がすごく大きいと思いますし。

海外ではコメディ作品も人気なのですが、日本のコメディは評価もされにくいですし、すごく難しいんです。シリアスなものが苦手という性格もあって、自分の中で映画といったらやっぱりコメディ。なので、映画監督としての人生は「コメディにかけていこう!」と思っています(笑)。

 隠れ

 ポンデミック!

『カメラを止めるな!』

映画専門学校「ENBUゼミナール」のワークショップ「シネマプロジェクト」の第7弾として製作された作品。自主映画の撮影隊が山奥の廃墟でゾンビ映画の撮影をしていたが、そこへ本物のゾンビが襲来。ディレクターの日暮(濱津隆之)は大喜びで撮影を続けるが、撮影隊の面々は次々とゾンビ化していく。という「37分ワンシーンワンカットのゾンビサバイバル映画」を撮った人々の姿を描く。

 

監督・脚本:上田慎一郎  主題歌:山本真由美「Keep Rolling」

出演:濱津隆之、真魚、しゅはまはるみ、長屋和彰、細井学、市原洋、山﨑俊太郎、大沢真一郎、竹原芳子、吉田美紀、合田純奈、浅森咲希奈、秋山ゆずき

 

ディノスシネマズ札幌劇場、イオンシネマ旭川駅前、イオンシネマ北見、シネマ太陽帯広、シネマアイリス、T・ジョイ稚内 で絶賛公開中 (2018年11月23日時点)

 

ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2019

2019年3月7日(木)〜10日(日)開催

 

WEBプレゼント

『カメラを止めるな!』劇場パンフレットを抽選で2名様にプレゼント

【応募方法】①@SP25_eigakanをフォロー ②この記事のツイートをリツイート

【締  切】2018年11月26日(月)23:59

 

©️ENBUゼミナール

reporter &photo:anisuke

reporter:honma

writer:hikari&anisuke

support:chata

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